「林檎の樹」を読みました
12/21/2024
読みながら主人公にイラッとすることが多かったけど内容は面白かったです。
この話はどうしても田舎娘のミーガンに同情してしまいます。なんでだろう?無知で純真だからですかね。そんな娘が都会から来た主人公と恋に落ちて、でもその恋が成就せずに自殺してしまう。自分が騙されたと思ったんですかね。あまりにもかわいそうです。読んだ直後は主人公はなんてひどいやつなんだとムカついてしょうがなかったです。
でも冷静に考えてみるとこの話って決して主人公だけが悪いわけじゃないと思うんですよね。もちろんミーガンとの約束を破って牧場に戻らなかったことは責められて然るべきだけど、それでもここまで重い十字架を背負わなければいけないことだとは思えません。まあ主人公はミーガンが自殺した事実を26年間知らなかったわけだからそんな十字架は存在していなかったのかも知れませんけど。たかが一時の恋で自殺するなんて思わなかったでしょうし。ちょっとしたボタンの掛け違いが大きな不幸を呼んでしまった感じがします。
それにしてもミーガンが幸せになれる未来はあったんですかね。どんな結末でも幸せになれない気がします。あえて言うなら主人公に出会わない道が一番幸せだったような気がします。でもそうしたらあの情熱的な恋ができなかったわけでそれはそれで幸せといえるのでしょうか。そんな八方塞がりなミーガンだからこそ私は同情してしまうのかも知れません。