「悩む力」を読みました
11/12/2024
夏目漱石とマックス・ウェーバーの著書を参考に著者が現代日本の生きづらさを考察する内容でした。前半は共感する点が多かったのですが、後半は私の価値観と合いませんでした。
価値観が合わなかった点は労働と愛についてです。まずは労働。自分が自分として生きるために働く、これが分からなかったです。ここで言ってる労働が考えることや自分の食事を作ることなど賃金を得るためじゃない労働っていうのならまだ分かるのですが、今の時代の賃金を得る労働はほとんどが自分を見失うものばかりじゃないですか。例えば工場でずっと同じ作業を繰り返している人はそこに本当の自分を見つけることができるのでしょうか。とてもそうは思えないです。昔の人はよく労働の大切さを語るんですが、私の世代はそこまで労働に重きをおいてない人が多いように感じます。この世代間のギャップはどこから生まれたんですかね。やっぱり失われた30年に原因がありそうな気がします。そりゃ努力しても給料が上がらなかったらやる気も出ないですよね。やりがいも大切だけど報酬もまた大事ですよ。
次は愛について。これは価値観が合わなかったというか論理展開についていけなかったというのが本当のところです。ストーカーが行き着くところまでいくとカニバリズムになる、この因果関係が全く分からなかったです。なんでこうなるんだろう?考えても考えても私にはさっぱり分かりませんでした。もう少し細かく説明してほしかったです。
上記の2点以外は共感できたし色々勉強になりました。特に資本主義と知識については私が普段なんとなく思っていることが言語化されていて大変参考になりました。